星環827年接続会議:旅路ラジオ最後の定時放送
最後の定時放送は、旅路ラジオが星環827年7月3日に行った47分間の特別番組である。「誰か一人の声が全世界を埋めないように」という理由から、DJは冒頭以外の発話を止めた。
放送内容
番組で流れたのは音楽ではなく、各地から送られた生活音だった。
- 薄明圏アーカイブ_灰青運河を渡る市電のベル
- 紙飛行機市役所で紙を折る音
- 終電前スタジオのアンプを切る音
- 粗品-0001から1747までが順に椅子へ座る音
- 0時の温室で葉が開く音
- ルメナシアの第七塔が点灯に失敗する無音
最後の一分だけ、誰もいない道路を風が通り抜けた。
DJの冒頭声明
今夜は、話さないことを放送します。
聞こえない声を代弁するのではなく、その声が入ってこられるだけの場所を空けます。
放送は薄明圏アーカイブ_SILENT FMとマリオカノン_放送記録に同時中継され、政府による情報封鎖を越えて事件を市民へ知らせた。
「最後」の意味
旅路ラジオが廃局したわけではない。この回を境に、固定時刻で全世界へ同一番組を流す方式をやめ、地域ごとの夜に合わせて放送を手渡す「巡回枠」へ移行した。その最初の受け手が星環827年接続会議_風のピアノ室の無署名曲である。
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星環827年接続会議:風のピアノ室の無署名曲星環827年7月3日、風のピアノ室で誰も演奏していない曲が記録された。楽譜には作曲者名も題名もなく、七つの短い旋律が互いを追い越さずに続いていた。交差創作_藤井風世界と国作世界_風と空黨藤井風世界と国作世界の風と空黨は、風の文化と空の黨が交差する記録である。交差創作_風のピアノ室に届いた未来の楽譜アカサティアのエルパランド区で研究されていた時空共鳴理論の実験中、偶然にも藤井風世界の風のピアノ室へ楽譜が転送された。未来の楽譜は、まだ作曲されていない旋律を先取りしていた。交差創作_夜間回廊文庫と風のピアノ室風の音楽と余白の文庫の交差。風のピアノ室で見つかった楽譜の余白写しが回廊文庫の挟込棚へ収められる。交差創作_夜行列車内の公開収録旅路ラジオの公開収録が、夜行列車図書館の車内で行われた。放送室は車内の本棚と吊り革の間に設けられ、読み上げられた「途中の話」の一部は車内の本の余白に写った。交差創作_旅路ラジオと教育放送旅路ラジオの電波が、統一世界政府の教育放送網と偶然同じ周波数に乗った夜のこと。二つの放送は混信するどころか、互いの空白を埋め合うようにして一つの番組になった。
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