夜間回廊文庫_製本を待つ人
夜間回廊文庫_製本を待つ人
夜間回廊文庫_製本を待つ人は、夜間回廊文庫の製本棚で、綴じられるのを待つ紙束を抱える人の記録である。製本を待つ人は一人の固有名を持たず、製本棚の前で紙束を抱える役割として記される。
製本棚の紙束
製本棚には、綴じられていない紙束が置かれる。紙束は次のいずれかである。
| 紙束 | 由来 | 頁数 |
|---|---|---|
| 余白束 | [[夜間回廊文庫_余白だけを残した本 | 余白だけの本]]の素材となる余白の切り取り |
| 索引束 | [[夜間回廊文庫_索引だけの本 | 索引だけの本]]の校正紙の束 |
| 挟込束 | [[夜間回廊文庫_書架に挟まれた手紙 | 挟まれた手紙]]の写しを綴じるための束 |
| 問い束 | [[夜間回廊文庫_問い札の新分類 | 問い札]]の新分類の試行のための束 |
紙束は紐で仮綴じされ、表紙は付けられない。表紙を付けると「本」となり、分類が固定されるため、製本を待つ間は表紙を付けない。
製本を待つ人の業務
製本を待つ人は、紙束を抱えて回廊を歩く。歩くことで紙束の順序が入れ替わることがあり、入れ替わった順序をそのまま記録する。順序を元に戻すことはしない。入れ替わりも製本の過程とみなされるためである(説)。
製本の判断は、製本を待つ人が「綴じる」と口にするまで行われない。口にするまでは、紙束は製本棚に置かれたままである。口にした紙束は夜番司書が立ち会いのもと綴じられ、二十五の棚のいずれかへ配架される。
製本を急がない理由
回廊文庫では、製本を急がないことが作法とされる。急いで綴じると、紙束の順序や余白の位置が固定され、後から読み替える余地が失われるためである。星屑印刷工房の校正紙が何度も刷り直される過程と同様に、製本を待つ時間も制作の一部とされる。
製本を待つ人は、紙束を抱えたまま二十五時を待つ。二十五時に回廊が開くとき、紙束の端が風でめくれることがあり、めくれた頁がそのまま製本時の扉頁とされる。
関連する記録
製本を待つ人の記録は、余白の検品員や折丁の面付け係の記録と比較されることがある。いずれも「完成させない」ことを業務とする点で共通する。
また、星環共通印章の押印簿において、製本を待つ紙束へ試し押しされた印影が確認されることがある。
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