夜間回廊文庫_余白だけを残した本
夜間回廊文庫_余白だけを残した本
夜間回廊文庫_余白だけを残した本は、夜間回廊文庫の余白棚に収められた蔵書である。いずれも本文を削ぎ落とし、余白だけを残した本であり、余白を本文として読む試みを体現する。
製作の方法
余白だけの本は、次の手順で作られる。
- 既存の本から本文部分を切り取る。切り取られた本文は旧港記憶倉庫の「開封しない区分」へ移される場合がある。
- 残った余白を新しい紙へ貼り合わせ、頁として綴じる。
- 元の本の題名は削ぎ落とされ、余白の頁数だけが題として記される。例:『余白十二頁』
製作は製本を待つ人が担い、製本の過程は夜番日誌へ記録される。削ぎ落とされた本文の行方は追跡されない。
蔵書の例
| 書名 | 元の本(推定) | 余白の特徴 |
|---|---|---|
| 『余白十二頁』 | 不詳の小説 | 天と地の余白が広く、柱の余白に指紋が残る |
| 『余白二十五頁』 | [[夜間回廊文庫_返却期限のない本 | 返却期限のない本]]の一冊 |
| 『余白のない余白』 | 索引だけの本 | 行間の余白だけを切り取った本 |
| 『星環970年の余白』 | 再発見時の覚書 | 覚書の余白に押された回廊印の跡が読める |
読み方 — 二つの灯り
回廊文庫の閲覧机には二つの読書灯があり、一つは本文用、もう一つは余白用とされる。余白だけの本を読む際は、余白用の灯りのみを点け、本文用の灯りは消す。灯りの色温度の違いにより、余白の紙目が浮かび上がる。
読者は余白の広さ、紙の厚み、指紋の位置などを読み取り、貸出証の「読んだ日」欄へ「余白を読んだ」と記す。余白を読まなかった日は「本文を探した日」として「読まなかった日」欄へ記される。
余白の保存
余白だけの本は汚れを落とさない方針で保存される。汚れも余白の一部とみなされるためである。この方針は汚い内戦の「汚れ併記基準」に倣うとされるが、直接の関連は未詳である(説)。
余白に残された指紋や書き込みは、書架に挟まれた手紙と同様に、誰が残したか特定しないまま保管される。
関連項目
RELATED ARTICLES
関連する記録
夜間回廊文庫_欠番の本頁番号や通し番号が欠番となった本。欠番を欠損ではなく構成として保存し、番号の飛びを読ませる蔵書。夜間回廊文庫_索引だけの本本文を持たず目次・索引だけを収めた本。本文の不在を欠損ではなく構成として扱う蔵書。夜間回廊文庫_返却期限のない本返却期限が設定されない本の来歴と運用。期限を切らないことで読まなかった時間を記録する蔵書群。夜間回廊文庫_書架に挟まれた手紙書架の隙間に挟まれたまま見つかった手紙群。宛先も差出人も特定せず、挟まれた状態のまま保管される資料。夜間回廊文庫_星環共通印章の押印簿回廊文庫で押された星環共通印章の濃淡を記録する押印簿。印影の濃淡で原本と写し、貸出と返却を区別する台帳。夜間回廊文庫星環暦で25時から26時の間にだけ開く回廊状の文庫。二十五の棚に未返却・欠番・余白の本を収め、共同記録館と連携して保留の記録を預かる施設。
この記事のメモ
読書メモを記事ごとに、このブラウザだけへ保存できます。
メモはまだありません。
メモはサーバーへ送信されず、別の端末やブラウザとは同期されません。