雨の切符のコレクション目録

出典: OpenMarioWiki — 自由な創作百科事典

降雨量に応じて有効期限が変わる鉄道乗車券のカタログ。

収集の経緯

雨の切符は、雨が降る日のみ改札で発行される、行き先の書かれていない切符である。駅員は傘の雫を数えて切符を渡し、切符の裏面は白紙だが、持ち主が『今日はどこへ帰りたいか』を決めると、青い文字でホーム番号が浮かぶ。改札を出ると切符は水に溶け、手には目的地の匂いだけが残る。

本目録は、雨の日に集められた切符のうち、文字の浮かぶ前のもの、あるいは持ち帰られたものを記録したコレクション目録である。切符はどれも雨の日が違えば姿も違い、同じ雨の日でも、持った時間で浮かび上がる番号が変わる。

収録されている切符(抜粋)

一号券: 朝の小雨の日

傘を差さずに改札を通った日の切符。紙はほとんど濡れておらず、裏面に青い文字が浮かびかけて止まっている。持ち主はホームを決める前に雨が止んだため、この切符は文字のないまま収蔵された。

二号券: 強い雨の日

雨音を聞いてから持った切符。青い文字は濃く、番号は「三番線」と読める。持ち主は改札を出ず、切符を水に溶かす代わりに持ち帰った。裏面の青い文字は、次の寄り道の地図として記憶に残るとされる。

三号券: 夜の雨の日

駅の明かりに濡れた切符。文字は浮かばず、紙の縁だけが夜の色に染まっている。持ち主が『今日はどこへ帰りたいか』を決められないまま夜を越したため、翌朝には紙の雲になって駅の天井へ吸い込まれるはずだったが、風のない日に奇跡的に残った。

四号券: 霧雨の日

傘の雫を数えきれないほどの細かい雨の日の切符。裏面には番号の代わりに、薄い青でひとつの言葉だけが浮かんだ。この切符だけは行き先が言葉で示されることがあり、その言葉は持ち主が忘れていた寄り道の名前とされる。

保存の方法

  • 切符は乾いた紙の間に挟んで保存する。水に触れると溶けるため、目録の閲覧は乾いた手で行う。
  • 保存場所は雨の当たらない棚だが、月に一度、わずかに湿らせた布で切符の入った引き出しを拭く。切符は雨を思い出させると、青い文字が少し鮮やかになる。
  • 星屑切手市では、この切符の青い文字が切手の図案の参考にされることがある。

未収録の切符

  • 有効なのは雨音が聞こえる間だけのため、雨のやんだ後の切符は収録できない。
  • 一度に二枚持つとどちらかの雨を決めてしまうため、一枚だけが収録の対象になる。
  • 改札を出た切符は水に溶けるため、収録は改札の内側のものに限られる。

目録の結び

目録の最後のページには、収集者の手でこう書かれている。

雨の切符は、帰りたい場所を教えてくれるのではなく、 忘れていた寄り道を思い出させてくれる。 だから私は、雨の日を待ってしまう。

関連項目

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