かすみ舟便

出典: OpenMarioWiki — 自由な創作百科事典

かすみ舟便

かすみ舟便は、反転運河を往復する小さな舟の配達便である。運ぶのは箱や手紙だけではない。船頭は岸の会話、濡れた靴音、渡れなかった橋の景色を布袋に入れ、必要な対岸へ届ける。

乗船券

乗船券は紙ではなく、渡りたい理由を一文だけ書いた木片である。船頭がその文を水に浸し、文字が消えずに残れば乗船できる。消えた場合は理由がまだ岸に近すぎるとされ、小夜見渡船場で一晩待つ。

運航の目印

舟は標識を使わず、風鈴橋の音と灯台守食堂の湯気を目印に進む。霧が深い日は、船頭が水面へ短い歌を落とし、返ってくる反響で曲がる場所を決める。

関連項目

RELATED ARTICLES

関連する記録

最後の回送バス最後の回送バスは、終電のあとに一度だけ走る「乗客を乗せない」バスである。車内には空席ではなく、昼間に間に合わなかった景色が座っている。運転手は停留所ごとにドアを開け、景色が降りるのを待つ。小夜見渡船場小夜見渡船場は、夜にしか看板が読めない反転運河の渡船場である。待合所の壁には窓がなく、代わりに水面の反射が小さな時刻表を作る。旅人は出発時刻を尋ねず、どのくらい待てるかを船頭へ伝える。線路脇天文台線路脇天文台は、朝靄駅へ入る線路の脇に建つ小さな観測所である。ここで観測されるのは星ではなく、車窓から見えたはずのない光である。所員は列車の窓に残る指紋を数え、光がどの方向から現れたかを星図へ書き込む。朝靄駅朝靄駅は、遠景市に入る列車が最初に停まる終着駅である。ただしホームの表示板には到着時刻ではなく、その列車が町を「どれくらい思い出しているか」が記される。乗客は改札を出る前に、窓に映った自分の顔を一度だけ見送るのが慣例である。透明交差点透明交差点は、信号機も横断歩道も見えない四差路である。道を渡ろうとする人が互いの気配を認めたときだけ、足元に薄い線が現れる。線は急ぐ人ほど短く、立ち止まる人ほど遠くまで伸びる。反転運河反転運河は、岸から眺めると水が上流へ向かっているように見える遠景市中央の運河である。実際の流れは潮と同じ向きだが、水面に映る建物だけが逆向きに進むため、初めて見る者は橋を渡る足を止める。

ARTICLE RATING

この記事は役に立ちましたか?

まだ評価はありません

読み込み中…

この記事のメモ

読書メモを記事ごとに、このブラウザだけへ保存できます。

0 / 5,000文字

メモはまだありません。

メモはサーバーへ送信されず、別の端末やブラウザとは同期されません。