小さな雷の飼育マニュアル初版
瓶の中に雷を飼うための温度管理と栄養給餌法。
はじめに
本マニュアルは、小さな雷の飼い方の初版として、瓶に入るほど小さな雷を町で安全に世話するための手順をまとめたものである。小さな雷は退屈すると壁紙の模様を変えてしまうため、飼育には朝夕の遊びと、決まった場所での休みが必要になる。
初版は、迷子になった小さな雷を保護した経験から書かれた。後の版で訂正された記述もあるが、本稿では初版の記述をそのまま残し、それぞれに補足を添える。
用意するもの
- 瓶: 光を通す透明な瓶。ふたは必ず穴の開いたものにする。
- 巣材: 乾いた葉。地下鉄の菜園の葉が最適とされ、葉を一枚ずつ差し込むと、小さな雷はおだやかな音を立てながら住み家を固める。
- 金属の鈴: 朝夕に鳴らして遊ばせるためのもの。
- 静かな場所: 冬は浅い眠りに入るので、瓶は振動の少ない場所へ移す。
温度管理
小さな雷は、暖かさではなく「静かさ」を温度の代わりに感じる。賑やかな部屋では光が強くなり、静かな場所では青く縮む。青く縮むのは機嫌がよい印であり、放電した後は、瓶のふたを開けずに十分待つこと。
- 日の当たる窓辺は避け、間接光の場所に置く。
- 夜は瓶ごと布をかけて、部屋の光を遮る。
- 停電の夜だけは一瞬借りて、部屋を照らしてもよい。ただし、見せびらかしてはならない。
栄養と給餌
小さな雷は、食べる代わりに音をためる。朝夕に金属の鈴を鳴らして遊ばせると、鈴の音を粒のような光に変えて体にため、鳴らしすぎた日は、その光を窓辺でゆっくり散らす。
給餌の時間は決めず、小さな雷が鈴の方へ寄ってきたときに行う。無理に鳴らせると、雷は粒をためたまま次の日まで黙ってしまう。
眠り
眠るときは湿った土ではなく、乾いた葉の巣を好む。巣材の葉を替えるときは、古い葉を一枚だけ残すこと。匂いが変わりすぎると、小さな雷は寝場所を探して瓶の外へ出てしまう。
冬は浅い眠りに入る。この間は瓶を振動の少ない場所へ移し、鈴を鳴らさない。寝る前に小さな雷に笑みを届けると、翌日のひびきは少し優しくなる。
迷子の対処
迷子になった小さな雷は、屋根の高い建物に落ち着く習性がある。朝、針金の根元に青い光を見つけたら、驚かせずに瓶を静かに開け、夕方まで同じ場所で待つのがよい。名前は、鳴き声が三度目に変わるまでつけないこと。
初版の補足
初版では「小さな雷は雨の日に弱い」と記されていたが、その後の飼育記録により、雨の日は逆に機嫌がよいことが判明している。改訂版ではこの記述が訂正される予定である。なお、靴音収集家の記録では、雷の音を瓶に詰めて持ち歩く飼い主がいることが報告されているが、本マニュアルでは推奨しない。
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