薄明圏アーカイブ:漂着物分類

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漂着物分類は、出発世界線や所有者が分からないまま薄明圏へ流れ着いた物品を扱うための分類体系である。薄明圏アーカイブ_反響税関漂着物課が管理し、安全性ではなく「どの種類の来歴を欠いているか」を基準にする。

五つの分類

記号名称欠けている情報
P場所不明どこから来たか存在しない駅の切符
T時刻不明いつ作られたか日付が増え続ける新聞
O所有者不明誰の物か全員の鍵に合う鍵
U用途不明何に使うか音を吸うだけの器
N名称不明呼び名そのもの図鑑から抜けた標本

複数の欠落がある品は記号を連結する。最も管理が難しい「PTON-U」は、来歴の全要素が不明なのに用途だけが明確な品を指す。

収容手順

漂着物には仮の名前を付けず、発見日時と外形だけを記録する。早い段階で名前を与えると、品がその名前に合う性質へ変化することがあるためである。安全確認後、月例公開で市民から物語を募り、複数の証言が一致したとき初めて通称が認められる。

代表的な収蔵品

  • 帰路だけの羅針盤(P-U):どこからでも帰れるが、帰る場所を示さない。
  • 十三時のコップ(T):一日に一度、存在しない時刻の水滴を作る。
  • 拍手する手袋(O):持ち主がいないときだけ拍手する。
  • 空白標本(N):観察者が知っている生物の輪郭を一つ忘れさせる。

禁制分類

人間に似た漂着物は物品として分類しない。本人の自己申告が不安定でも、まず薄明圏アーカイブ_逆光検疫局が渡航者として保護する。これは第十三倉庫事件後に追加された重要な原則である。

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