薄明圏アーカイブ:反響税関
反響税関は、ネオンプリマへ入る物品の申告内容と「物品自身が残す反響」を照合する行政機関である。正式名称は薄明圏越境物資照合局だが、検査室で積荷の来歴がささやきのように反響することから通称が定着した。
検査方法
到着した荷物は円形の反響室に置かれ、送り主が申告書を読み上げる。壁面の記録石は、その品が直近に見聞きした音を低い残響として再生する。申告と残響が一致すれば青印、不一致なら灰印、由来を特定できなければ無色印が押される。
ただし記録石が読み取るのは事実そのものではなく、物品に残った周囲の音である。無音の場所で作られた品、誰かの記憶から直接取り出された品は、薄明圏アーカイブ_記憶貨物規格に基づく追加検査へ送られる。
部門
| 部門 | 担当 |
|---|---|
| 通常貨物課 | 食品、衣類、機械部品 |
| 物語素課 | 書籍、録音、未完成の設定 |
| 記憶貨物課 | 回想、夢、人格断片 |
| 漂着物課 | 所有者・出発地が不明な品 |
漂着物課の判断基準は薄明圏アーカイブ_漂着物分類にまとめられている。
第十三倉庫事件後の改革
薄明圏アーカイブ_第十三倉庫事件以前は、残響のない荷物を安全とみなす慣行があった。事件後は「沈黙も申告対象である」という原則が採用され、無音貨物には黄色い封緘帯が付けられるようになった。
市民との関わり
税関は毎月一度、持ち主不明の安全な漂着物を公開する。返還を求める者は所有を証明する代わりに、その品にまつわる物語を話す。話と残響が一致すれば品は返され、一致しない物語も匿名でアーカイブに保存される。
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