自由国_創作特集

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自由国_創作特集

古代王国崩壊直後の無環期末〜初環期に、光を誰にも固定しなかったと伝わる自由国の断片集である(説)。

はじめて読む人へ

  1. 自由国(国是の項)
  2. 自由国のその後(光の分散の項)
  3. 空の座
  4. 帰らなくてもよい約束
  5. 名のない往来

一、空の座(無環期末・説)

自由国には王座がなかった。いや、座はあったが、誰もそこに座ろうとしなかった。

旅人が座を尋ねると、案内の者は空の椅子を指して言った。「これは誰のものでもない。だから、いつでもあなたのものだ。」

だが旅人が腰を下ろそうとすると、その者は首を振った。「座る必要はない。ここでは、座ることも自由のうちだ。」

空の座は、誰かが来るたびに少しずつ違う場所へ移った。国境がないので、どこまでが国なのか、誰にもわからなかった。

二、帰らなくてもよい約束(初環期・説)

自由国に来た者は、帰らなくてもよかった。去った者も、また戻ってよかった。

「光は誰のものでもない」と、出入り口の誰かが言った。「だから、あなたが持ってきた光も、置いて行っても、持ち帰っても、どちらでもよい。」

人々は光を集めず、七灯にも割り振らなかった。光はただ、人の間を流れて通り過ぎた。

記録には、自由国の灯の名簿は一度も作られなかったと残る。名簿がないので、誰が国にいたのか、後世にはわからない。

三、名のない往来(初環期・説)

自由国には統治の中心も、国境も、名簿もなかった。あるのは、来て、去り、また来る人々の足音だけだった。

ある者は王座を継ぐ国へ、ある者は七灯を守る国へ、そしてある者はどこにも属さず、自由国の空気のまま去っていった。

「あなたはどこの者か」と問われて、その者は少し考えて言った。「光がどこから来たか、誰も問わない国があった。」

その国が実在したかは確認されていない。ただ、光を誰のものでもないとした国の話だけが、口伝のように残っている。


これらの断片は口承と余白の伝承(説)として、確定の事実ではなく収められている。自由国の実在は確認されていない。

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