薄明圏アーカイブ:記憶貨物規格
記憶貨物規格は、個人または集団の記憶を物品として輸送・保管する際の安全基準である。正式な規格番号はMCS-13。薄明圏アーカイブ_第十三倉庫事件を受けて全面改訂され、現在は薄明圏アーカイブ_反響税関と薄明圏アーカイブ_逆光検疫局が共同運用している。
対象
規格がいう記憶貨物には、抽出した回想だけでなく、夢の反復記録、忘れた名前、強い既視感、複数人が共有する架空の出来事も含まれる。日記や写真は原則として通常貨物だが、読む者に同一の体験を再生させる場合は記憶貨物に分類される。
容器と封緘
| 等級 | 内容 | 容器 |
|---|---|---|
| M1 | 一人の短い感覚記憶 | 青ガラス封筒 |
| M2 | 人物・場所を含む長期記憶 | 二重遮光箱 |
| M3 | 複数人の共有記憶 | 無響金庫 |
| M4 | 現実改変の可能性がある記憶 | 固定倉庫、移送禁止 |
容器には内容そのものではなく、「誰が忘れると危険か」「誰に返すべきか」「開封後に残る感情」を表示する。詳細を書きすぎると、表示を読んだ作業員に疑似記憶が生じるためである。
三人原則
M2以上の貨物は、荷送人、運搬人、受取人の三者が同時に同じ記憶を知ってはならない。記憶が三者間で循環すると所有者を判定できなくなるため、各人に開示される情報は意図的に分けられる。
事故時の対応
封緘が破れた場合、作業員は内容を思い出そうとしてはならない。薄明圏アーカイブ_SILENT FMへ無音通報し、床に記された現在の日付と自分の業務番号を読み続ける。回収班は記憶ではなく、記憶が存在しない輪郭を追って漏出範囲を特定する。
関連項目
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