砂糖の地図
砂糖の地図は、舐めると道が現れ、雨に濡れると別の街へ描き替わる砂糖の地図。
地図職人は朝ごとに薄い飴の板へ道を刻む。迷いやすい場所には塩を少し混ぜるので、進むべき角を舌で確かめられる。一日の終わりには、職人は地図の残った甘さを小瓶へ掃き集める。
地図が示すのは最短距離ではなく、今の持ち主に必要となる景色のある道だ。迷いの深い場所ほど、その道の甘さは濃くなる。役目を終えた一枚は砕かれ、鉛筆山脈の登山者の飲み物を甘くする。
雨の日は地図が濡れて別の街へ描き替わる。職人はそれを失敗と呼ばず、その人の次の通り道だと言って、新しい道の角に塩をひとつまみかけて送り出す。
記録
- 地図は一人分しか読めず、貸すと輪郭がぼやける。
- 北を示す印は、星ではなく小さなレモンの味である。
- 迷いの深い場所ほど、その道の甘さが濃くなる。
- 使い終えた地図を山の水に流すと、次の春の道の水が甘くなる。
関連記事
RELATED ARTICLES
関連する記録
この記事のメモ
読書メモを記事ごとに、このブラウザだけへ保存できます。
メモはまだありません。
メモはサーバーへ送信されず、別の端末やブラウザとは同期されません。