深夜の標本室

出典: OpenMarioWiki — 自由な創作百科事典

深夜の標本室は、午前零時から夜明けまでだけ開く、消えかけた気配を収める標本室。

展示ケースには、言いそびれた返事の余韻、閉店後の店先の匂い、誰もいない廊下の足音がラベル付きで保存されている。見学者は音を立てず、ケースの前で一度だけ深呼吸をする。

標本は採集されるのではなく、自ら入口に現れる。いちばん新しいケースは常に入口のそばにあり、息の音をひとつも落とさなかった見学者だけが、その中身を目にすることができる。

期限を迎えた標本は砂糖の地図の紙へ溶け込み、知らない街の甘い道筋になる。同じ気配は一度しか採れないため、二度目はケースの代わりに、見学者の記憶の中だけに残る。

記録

  • ラベルには採集地ではなく『最後に気づいた人』が記される。
  • 展示室の時計は、見学者のまばたきの間だけ止まる。
  • 同じ気配を二度採ることはなく、二度目は写真だけが残る。
  • 持ち帰りたい気配は、ひとつだけを選ばないとすべて薄くなる。

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