薄明圏アーカイブ:境界航路
境界航路は、薄明圏と他の世界線を結ぶ定期・不定期の海上交通網である。海図上の線ではなく、特定の時刻、天候、乗員の記憶がそろったときにだけ開く接続条件を指す。
航路の等級
| 等級 | 安定性 | 主な用途 |
|---|---|---|
| A | 毎週ほぼ同じ位相で接続 | 旅客・生活物資 |
| B | 月に数回、時刻が変動 | 書籍・記録媒体 |
| C | 条件の再現が困難 | 調査・救難 |
| X | 出発地または到着地が未確認 | 航行禁止 |
現在、旅客が購入できるのはA航路と一部のB航路だけである。乗船券には出発日時ではなく、薄明圏アーカイブ_時間位相潮汐表の位相記号が印刷される。
航行手順
船は薄明圏アーカイブ_北岸灯台群から応答色を受けた後、エンジンを止めて霧の流れに進路を合わせる。境界を越える瞬間、乗客は自分の出発理由を一文で読み上げる。理由を言えない者は出発地との結び付きが失われ、帰路を見つけにくくなる。
水先人は組合の編成で乗船し、通常の方位ではなく、乗客が最も鮮明に覚えている景色を手掛かりに船を導く。
手荷物
個人の記憶を保存した品は一般手荷物にできない。薄明圏アーカイブ_記憶貨物規格の封緘を受け、船体中央の遮光庫へ預ける必要がある。また、別世界線の未来を具体的に記した文書は、到着後に現実を固定する危険があるため禁制品となる。
欠航
薄明圏アーカイブ_夜霧警報が三鐘以上、または零番防波堤の赤灯が点灯した場合、すべての航路は閉鎖される。欠航客は薄明圏アーカイブ_潮待ち宿へ案内され、次の接続まで一潮単位で待機する。
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