星環827年接続会議:アカサティア第八区の朝
アカサティア・シティは七区で構成されると公式には記録されている。だが星環827年7月2日の朝、すべての通勤列車が存在しない「第八区」に停車した。
第八区
ホームの外には、建設途中の学校、名前のない食堂、投函されなかった意見箱が並んでいた。住民は都市のどの登録簿にも載っていなかったが、全員がアカサティアで働いた記憶を持っていた。
彼らは人民進化アカサチアの都市最適化で「将来の配置候補」とされた人々だった。単一未来灯は実現しなかった都市計画を削除せず、一つの仮想区画へ押し込めて予測へ利用していた。
住民名簿
第八区の学校教師セナは、843人分の手書き名簿を作った。欄は氏名、年齢、職業ではなく、次の三項目だった。
- 朝いちばんに見たいもの
- 忘れたくない匂い
- 自分で選び直したいこと
この名簿は星環827年接続会議_夜行列車図書館臨時便の7号車でルメナシアへ運ばれた。
会議後
暫定評議会は第八区を既存七区へ強制編入せず、住民が所在と制度を選ぶまで「移動する自治街区」として承認した。朝の列車は毎日違う路線に停車する。
アカサティアの公式地図には現在、八番目の区画ではなく、余白へ向かう点線が加えられている。
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