青階段市場

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青階段市場

青階段市場は、運河から丘へ続く百段の石段に店が並ぶ市場である。段ごとに空の色が少しずつ違うため、同じ品物でもどの段で買うかによって値札が変わる。買い物客は財布より先に、今日登れる段数を店主へ伝える。

売られているもの

市場では食材、古い切符、風の名前、使い終えた合図などが売買される。最上段の店は「帰り道の試食」を扱い、ひと口食べると自宅までの景色が少しだけ思い出しやすくなる。灯台守食堂は、ここで朝の湯気を仕入れる。

青い値札

値札は雨に濡れると文字が消え、代わりに買い手の手のひらへ価格が浮かぶ。値段を忘れた人は逆光写本室へ行き、影から領収書を写してもらう。

関連項目

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関連する記録

遠景市アーカイブ_物価遠景市の物価は常設の青階段市場ではルクス建てだが、水曜市や湖畔忘れ物市では価格の代わりに「説明できない品」や「失くした話」が支払いになる。配達料は待たせた時間で決まる。遠景市アーカイブ:水曜市水曜市は、水曜日にだけ開かれる移動式の市である。開催場所はその週の雨の降り方で決まり、朝のうちに場所を知らせる紙が各家に配られる。湖畔忘れ物市湖畔忘れ物市は、持ち主の分からない物だけを並べる朝市である。湖は反転運河の先にあり、水面には落とし主ではなく、物を必要としている人の姿が映る。買い手は欲しい物を指さず、自分が失くしたものを一つ話す。赤傘修理工房赤傘修理工房は、赤い傘だけを引き受ける小さな修理店である。色が赤である理由は雨よけではなく、遠景市で「ここに帰る」と決めた人が見失わないためだという。店主は破れを縫う前に、傘が最後に守った会話を聞き取る。かすみ舟便かすみ舟便は、反転運河を往復する小さな舟の配達便である。運ぶのは箱や手紙だけではない。船頭は岸の会話、濡れた靴音、渡れなかった橋の景色を布袋に入れ、必要な対岸へ届ける。雨音保存会雨音保存会は、遠景市に降る雨の音を採集し、季節ではなく屋根の材質ごとに分類する団体である。会員は小瓶に音を閉じ込めるのではなく、濡れた紙の重さとして記録する。紙を指で弾くと、その日の雨が短く再生される。

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