薄明圏アーカイブ:SILENT FM
SILENT FM(サイレント・エフエム)は、ネオンプリマ港湾放送室が運用する防災放送局である。通常番組を持たず、霧、位相変動、航路事故などの緊急時だけ送信する。愛称は「聞こえない放送局」。
放送方式
電波ではなく、港の建築物に組み込まれた金属骨格へ低周波の振動を送る。受信機がなくても、窓枠、手すり、食器の震え方から警報の種類が分かる。音声放送が記憶や物語素に干渉する可能性を避けるために採用された方式である。
| 振動 | 意味 |
|---|---|
| 短・短・長 | 夜霧の急速な濃化 |
| 長・短・長 | 境界航路の閉鎖 |
| 長音三回 | 零番防波堤から退避 |
| 微振動の連続 | 放送を使わず屋内待機 |
警報段階そのものは薄明圏アーカイブ_夜霧警報の鐘数と対応している。
放送室
放送室は可変埠頭N-13の上階にあり、壁の一面が港全体の共鳴図になっている。担当者は図上の金属片を動かして送信区域を指定する。旅路ラジオとの連携時だけ音声回線が開き、薄明圏外へ状況が伝えられる。
無音週間
薄明圏アーカイブ_無音週間中はSILENT FMが公共通信の時刻基準も担う。正午に一秒だけ送られる微振動を、学校、工場、市電がそれぞれの時計合わせに利用する。
有名な誤放送
第十三倉庫事件の夜、存在しない「長・長・短」の信号が市内西部で観測された。公式の送信記録にはなく、倉庫内の記憶貨物が港の骨格を送信機として利用したものと考えられている。この信号は現在も「誰かを迎えに行け」という都市伝説的な意味で語られる。
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関連する記録
薄明圏アーカイブ:夜霧警報夜霧警報は、視界だけでなく記憶と時間感覚を乱す薄明圏特有の霧に対する警戒制度である。鐘の回数で四段階を示し、視覚に頼らず市民と船舶へ伝達できるよう設計されている。薄明圏アーカイブ:零番防波堤零番防波堤は、ネオンプリマ外港のさらに外側にある半円形の防災施設である。通常の波ではなく、時間位相のずれによって発生する「先行嵐」を受け止める。第一防波堤より後に建設されたにもかかわらず、災害が港へ到達する前段階を守ることから零番と名付けら低灯協定低灯協定は、星環512年に複数の港町が結んだ、灯台の光の強さと越境光の扱いを定めた協定である。後に北岸灯台群の運用規則となり、境界航路を安全に開くための最初の国際的な合意とみなされる。薄明圏アーカイブ_鏡界鉄道メモ鏡界鉄道(きょうかいてつどう)は、薄明圏を南北に貫く越境列車網である。夜行列車図書館の巡回車両を前身に、都市間の時間差を吸収するため再設計された。薄明圏アーカイブ_港湾都市ネオンプリマ薄明圏西岸にある港湾都市ネオンプリマは、夜間にだけ開く「可変埠頭」を持つ中継都市である。通常の地図には存在せず、世界観設定_交通網と移動手段で定義される境界越境ライセンスを持つ者だけが入港できる。薄明圏アーカイブ_物価ネオンプリマの物価は港湾通貨ルクス建てで、霧塩パン約6ルクス、市電一周券12ルクス、潮待ち宿一潮40〜80ルクスが目安である。航路の数で発行量が変わるため、物価は季節で動く。
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