薄明圏アーカイブ:零番防波堤

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零番防波堤は、ネオンプリマ外港のさらに外側にある半円形の防災施設である。通常の波ではなく、時間位相のずれによって発生する「先行嵐」を受け止める。第一防波堤より後に建設されたにもかかわらず、災害が港へ到達する前段階を守ることから零番と名付けられた。

先行嵐

先行嵐とは、別の世界線で起きた暴風の結果だけが先に薄明圏へ流れ込む現象である。空が晴れているのに係留索が切れたり、乾いた倉庫で積荷が水損したりする。数時間から数日後に本体の嵐が接近する場合もある。

防波堤内部の空洞には、過去四十八時間分の静かな海面が薄い膜として保存されている。異常波が来ると膜を外海へ展開し、海の状態を一時的に「平穏だった時刻」へ戻す。

区画

  • 観測環薄明圏アーカイブ_北岸灯台群からの光信号を受ける。
  • 静水庫:平穏な海面を保存する十二の水槽。
  • 退避廊:作業員と水先人の避難路。
  • 無名桟橋:未登録船を一隻だけ係留できる検査区画。

運用

薄明圏アーカイブ_夜霧警報が三鐘になると防波堤は閉鎖され、薄明圏アーカイブ_SILENT FMが作業員向けの低周波信号を送る。一般の音声を使わないのは、先行嵐が放送内容まで先取りして混乱を起こした事例があるためである。

伝承

防波堤の最外端には、完成以来一度も点灯していない赤灯がある。「港が忘れてよい最後の記憶」を受け取ったときだけ灯るとされるが、管理局は単なる予備灯だと説明している。

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関連する記録

薄明圏アーカイブ:SILENT FMSILENT FM(サイレント・エフエム)は、ネオンプリマ港湾放送室が運用する防災放送局である。通常番組を持たず、霧、位相変動、航路事故などの緊急時だけ送信する。愛称は「聞こえない放送局」。薄明圏アーカイブ:夜霧警報夜霧警報は、視界だけでなく記憶と時間感覚を乱す薄明圏特有の霧に対する警戒制度である。鐘の回数で四段階を示し、視覚に頼らず市民と船舶へ伝達できるよう設計されている。低灯協定低灯協定は、星環512年に複数の港町が結んだ、灯台の光の強さと越境光の扱いを定めた協定である。後に北岸灯台群の運用規則となり、境界航路を安全に開くための最初の国際的な合意とみなされる。薄明圏薄明圏アーカイブ_鏡界鉄道メモ鏡界鉄道(きょうかいてつどう)は、薄明圏を南北に貫く越境列車網である。夜行列車図書館の巡回車両を前身に、都市間の時間差を吸収するため再設計された。薄明圏アーカイブ_港湾都市ネオンプリマ薄明圏西岸にある港湾都市ネオンプリマは、夜間にだけ開く「可変埠頭」を持つ中継都市である。通常の地図には存在せず、世界観設定_交通網と移動手段で定義される境界越境ライセンスを持つ者だけが入港できる。薄明圏アーカイブ_物価ネオンプリマの物価は港湾通貨ルクス建てで、霧塩パン約6ルクス、市電一周券12ルクス、潮待ち宿一潮40〜80ルクスが目安である。航路の数で発行量が変わるため、物価は季節で動く。

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