星環790年_低灯協定後期監査
星環790年_低灯協定後期監査
星環790年_低灯協定後期監査は、星環790年に低灯協定の枠内で実施された後期の監査である。監査は灯台の光量や点灯時刻の適否を確かめるのではなく、見えなかった時間と地域暦が記録に残っているかを対象とした。この年の後、協定は「光を調整する約束」から「記録の残し方を定める規則」へ評価が変わる。
経緯
星環512年に結ばれた低灯協定は、霧の夜に灯台の光を強くしすぎない取り決めであった。光が強すぎると別世界の船まで呼び寄せるためである。協定の運用は星環723年の年二回の点検、星環735年の霧の日の灯質確認の義務化と段階を重ね、星環762年には灯の光への色づけが「協定の精神に反する」として中止された。
星環789年に薄明圏アーカイブ_灯守自発交換便が始まると、監査の単位が灯台から情報網へ移る必要性が生じた。港の書記組合は交換便に注目し、監査の事前資料として提出を求めている。
監査の内容
| 時期 | 出来事 | 資料 |
|---|---|---|
| 春 | 薄明圏アーカイブ_北岸灯台群の点検簿に、点灯しなかった時間を記す欄が設けられる | 各灯台の点検簿 |
| 秋 | 薄明圏アーカイブ_時間位相潮汐表の試作版が港の書記組合へ回覧される | 書記組合の回覧記録 |
「点灯しなかった時間」を記す欄は、欠陥の追及ではなく、暗かった区間の所在を残すための欄である。この欄の設置により、灯台の記録は光が機能した時間の記録から、光が機能しなかった時間の記録を含むようになった。
影響
- 航路記録の基準が「どこが見えたか」から「どこが見えなかったか」へ拡張された。
- 星環791年の夜行列車と港湾時刻の照合、星環795年の境界航路測量は、この拡張された基準を前提にする。
- 星環796年の航路票の試行(星環796年_消息不明保留の手続)は、監査で使われた「欠測を残す」書式を発展させたものである。
- 星環886年以降の世代交代後も運用規則の参照先として残り、星環890年にも同型の後期監査が行われている。
史料と論点
点検簿は複数の灯台に分散しており、全港の状況を代表する統計ではない。後世の年表は、回覧された試作表と実際の運用を区別している。監査を実施した主体についても、港の書記組合によるものと、灯台の管理者連名によるものという二通りの記述が併存し、単一化されていない。
「後期」という呼称は監査の回数を示すが、前期監査に該当する記録は星環675年の定期点検まで遡らねばならない。したがって「後期」は協定の運用段階を示す語であり、監査の通算番号ではない。この点は星環790年代の整理でも注意が記されている。
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