夜間回廊文庫_返却期限のない本
夜間回廊文庫_返却期限のない本
夜間回廊文庫_返却期限のない本は、夜間回廊文庫の無期限棚に収められた蔵書群である。いずれの本にも返却期限の印がなく、借り手は「返す日」を自分で決める。期限を切らないことで、読書の完了を読了ではなく「返すという選択」として扱う。
蔵書の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 冊数 | 約三十冊(変動する。欠番化により冊数は常に一致しない) |
| 装丁 | 薄い灰色の表紙に棚名だけを記す。題名は背に記さない |
| 本文 | 一冊あたり二十頁から四十頁。余白が本文より広い |
| 貸出証 | [[夜間回廊文庫_貸出証と星環印章 |
| 保存状態 | 良好だが、あえて汚れを落とさない本がある(汚い内戦の「汚れ併記基準」に倣う) |
蔵書の多くは星屑印刷工房の試し刷りや、紙飛行機市役所の請願控えの裏紙を再利用して作られたとされる(説)。一部の本は旧港記憶倉庫の記憶貨物の包み紙を転用したものとされる。
期限を設けない理由
回廊文庫では、期限を設けることが「読まなければならない」という圧力を生むと考える。期限がないことで、読者は次のような選択を取れる。
- 一頁だけ読んで返す
- 余白だけを読んで返す
- 読まずに返す
- しばらく手元に置いたまま読まずに返す
いずれも「読まなかった日」として貸出証へ記録され、問い札の素材となる。読まなかった時間も蔵書の履歴として尊重される。
事例 — 三冊の記録
『二十五時の余白』
二十頁のうち本文は三頁、残りは余白。本文には「二十五時は、昨日とも明日とも呼ばない時間」とだけ記される。貸出回数は最も多いが、読了の記録は一度もない。
『欠番の目次』
目次だけがあり、対応する本文頁が存在しない。目次の各項目には「欠番」とだけ記され、頁番号は飛んでいる。欠番の本の代表例として、索引だけの本と並べて展示される。
『挟まれた手紙の束』
本文の合間に書架に挟まれた手紙の写しが挟み込まれた本。手紙は読まずに挟まれたまま返却されることが多い。
返却と再貸出
返却された本はすぐに棚へ戻されず、返却箱で一晩置かれる。返却箱の番人が貸出証の「読まなかった日」を確認し、必要に応じて長期保留棚への移送を検討する。移送されなかった本は翌日の25時に再び無期限棚へ並ぶ。
関連項目
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関連する記録
夜間回廊文庫_欠番の本頁番号や通し番号が欠番となった本。欠番を欠損ではなく構成として保存し、番号の飛びを読ませる蔵書。夜間回廊文庫_索引だけの本本文を持たず目次・索引だけを収めた本。本文の不在を欠損ではなく構成として扱う蔵書。夜間回廊文庫_余白だけを残した本本文を削ぎ落とし余白だけを残した本。余白を本文として読む試みと、余白を読むための二つの灯りを記す。夜間回廊文庫_書架に挟まれた手紙書架の隙間に挟まれたまま見つかった手紙群。宛先も差出人も特定せず、挟まれた状態のまま保管される資料。夜間回廊文庫_星環共通印章の押印簿回廊文庫で押された星環共通印章の濃淡を記録する押印簿。印影の濃淡で原本と写し、貸出と返却を区別する台帳。夜間回廊文庫星環暦で25時から26時の間にだけ開く回廊状の文庫。二十五の棚に未返却・欠番・余白の本を収め、共同記録館と連携して保留の記録を預かる施設。
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